中国環境情勢ブログ

環境一筋29年の中国環境コンサルタントとして、中国の環境規制最新動向・環境産業動向等をまとめてます

第20回中国環境博覧会/IE EXPO2019 開催レポート~展示規模は史上最大に~

 2019年4月15日(月)~17日(水)、上海にて中国最大規模の環境展示会である第20回中国国際環境博覧会(IE EXPO2019)が開催された。



■IE EXPOとは
 IE EXPO2019は、前身のEPTEEやIFAT China時代も含めて第20回目となる歴史ある中国環境展であり、出展企業数、出展面積、見学者数が中国最大規模の国際環境技術展の一つである。今回は、中国環境科学学会、中国再生資源回収利用協会、全国工商連合会環境サービス業商会、ドイツメッセミュンヘン、中貿ミュンヘン展覧有限公司が共同主催し、また中貿ミュンヘン展覧有限公司が企画運営し、海外の後援団体としてはフランス在上海総領事館商務処、米国在上海総領事館商務処、ドイツGIZ、欧州水協会、韓国環境保全協会等がある。
 主な展示分野は、上下水・大気・廃棄物・土壌浄化・環境モニタリング・リサイクル(都市鉱山)等であり、分野別にホールを分けて展示している。
 中国環境企業による最新の環境技術の展示のみならず、欧米やアジア諸国からの出展割合も高く、世界中の環境技術動向も把握できる展示会となっている。



■今年のIE EXPOの概況
 今回は上海新国際博覧センターの全17ホールのうち13ホールを使用し(前回は11ホール、前々回は9ホール)、出展企業数は最多の2047社(前回1763社より16%増、前々回は1637社)、出展面積は15万㎡(前回は12.8万㎡)である。見学者数も延べ7.3万人となり、前年比1割増えた。海外からは、日米独、フランス、韓国、台湾、イタリア、スイスが国家(地域)パビリオンを出展した。展示や環境技術フォーラム、出展企業技術説明会のほか、新製品発表会会場、未来環境技術展示エリア、招待バイヤーサービスセンターなども設けられた。昨今の環境規制の厳格化に伴う中国環境ビジネス市場の急拡大を反映しており、今後も大きく発展することが見込まれる。
 同時開催された環境シンポジウムや技術セミナー、出展者プレゼンテーションも盛況を極め、開催期間中はVOC等大気汚染対策、廃棄物資源化利用、環境モニタリング、土壌修復、汚水対策等様々なテーマでのイベントが催された。
 上下水分野は約5.5ホール、環境総合サービス分野は2ホール、大気分野と廃棄物分野はそれぞれ1.5ホール、モニタリング・検査分野は1ホール使用している。
 初日午前の開幕式では、主催団体・関連団体挨拶があり、さらに環境商会会長やジェトロ上海事務所所長等の来賓立会いの下、テープカットが行われた。



■日本勢の参加状況
 日本関係では、ジェトロ上海事務所(ジャパンパビリオン部分のみ)、日中環境協力支援センターが後援しており、化学工業日報が日本後援メディアとなっている。当社主催のジャパンパビリオンにおける約15社を含め、日系企業は過去最多となる約45社が出展した(前回は38社、前々回は40社)。
 E3号ホールに位置するジャパンパビリオン(ジェトロ上海事務所が後援)には、サーマルプラント(RTO式VOC処理装置)、大川原化工機、五洲大氣社(VOC処理装置)、日本ダイヤバルブ、東亜DKK(大気・排ガスモニタリング)、牛尾貿易、堺化学工業等が出展していた。他の出展日系企業には、島津製作所、帝人、アムコン、AMBIC、クボタ環境、ニチアス等がある(出展日系企業リストは参考資料の表1を参照)。当社経由で申込した出展企業は、ジャパンパビリオン企業一覧チラシ配布(参考資料を参照)、当社メルマガでの号外宣伝広告、手続きの日本語サービス等の追加的サービスを受けられた。当社メルマガ宣伝を見て来場した見学者もいた。



■付随イベントも充実
 4月15日夜には中国環境博覧会出展者晩餐会が開催され、約300名の関係者が出席した。メッセミュンヘン、中国環境科学学会、全国工商連合会環境サービス業商会等の代表者が挨拶し、抽選会やパフォーマンスが行われた。
 開催期間中、環境技術フォーラムが45件も開催された。その一部は次の通り。
・中国環境技術大会
・長江デルタ流域水環境改善技術フォーラム
・非電力産業排煙処理技術革新フォーラム
・固形廃棄物資源化利用・処分技術大会
・中国カナダ土壌修復・水処理技術協力シンポ
・大気モニタリング・汚染源追跡技術国際フォーラム
・重点産業VOC汚染処理・モニタリング技術交流会
・危険廃棄物産業発展フォーラム及び処理技術・資源化利用マッチング大会
・超低排出技術フォーラム
・全国膜式都市汚水処理技術シンポジウム
・新情勢下での汚泥処理・資源化リサイクル技術フォーラム
・中国SDGs達成国際シンポジウム―汚泥・分散型衛生施設―
・農村汚水処理システムソリューションフォーラム
・中国・デンマーク水技術シンポジウム
・中国再生資源回収取引大会
・畜産廃棄物資源化フォーラム
・国際汚染土壌修復フォーラム
・上海都市騒音汚染防止技術国際フォーラム
・化学工業団地排水・排ガス・廃棄物処理・総合管理技術フォーラム



■出展企業によるお知らせ・報告及び報道状況
・出展企業によるIE参加のお知らせ・報告
クリタグループ:https://www.kurita.co.jp/site/groupnews_190401.html
霧のいけうち:https://www.kirinoikeuchi.co.jp/info/92
サーマルプラント:https://thermal-plant.com/ieexpo2019.html
アムコン:https://www.amcon.co.jp/ie-expo-china-2019/
鉄道車輛工業株式会社:http://www.tessha.com/press/ieexpochina2019/



・ジェトロ等報道
ジェトロ:アジア最大規模の中国環境博覧会が上海で開催
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/47ce46ee4c710b8e.html
ジェトロ:中国環境博覧会に出展した日本企業に出展動機とメリットを聞く
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/9ee805e3d5785a34.html
日中環境協力支援センター:中国最大規模の環境展――IE EXPO2019が4月15日上海で開幕
http://jcesc-ceo.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-3d6d86.html



■次回開催の出展のご案内
 次回の第21回中国国際環境博覧会(IE EXPO2020)は2020年4月21日(火)~23日(木)に同じ会場で行われる予定であり、引き続き当社が日系企業(現地代理店、ジャパンパビリオン以外のエリアも対応可能)の出展窓口を務める予定である。良い場所を得るには早めの申し込みが望ましい。



 日中環境協力支援センター経由でのお申込の場合、以下の特典があります。
・日本語版出展企業手引きをご提供、日本語での事務連絡可能
・中国語環境メルマガ(配信数約3万)に号外広告を2回配信
・配布するIEジャパンパビリオン企業一覧チラシに詳細企業情報を掲載
・開催期間中、当社ブースにて事務的相談受付(当社職員は期間中、日本エリアに常駐)
・出展料金は直接申込時と変わりません。日本円での支払いも可能です。
 日本語版IE EXPO2020出展案内ページは近日公開予定です。続編情報は日中環境協力支援センターのメールマガジン(www.jcesc.com/melma.html)で告知します。
 ご連絡、ご相談はこちらまで(web@jcesc.com)。



■参考資料(省略)
・IE EXPO2019出展日系企業及び日本関連企業一覧
・展示会写真6枚
・日本パビリオン紹介チラシ画像2枚
(www.jcesc.com/PDF/ie2019report.pdf からダウンロードして下さい)

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